2013年3月12日火曜日

ご褒美。

Ameni Recording

東京に到着した日は雨だった。
「Ameni」のレコーディングにふさわしい日だった。
この「Ameni」はずっとあたため育ててきた僕にとってとても大切な曲だ。
関わった人は知っていると思う。
誰にわがままだと言われようと、僕はこの曲を守ってきた。

実は、夏に一度、
pianist阿部樹一に鹿児島にきてレコーディングしてもらった。
遠隔で弾き語りのデモを渡していたので曲は伝わっていたが、演奏を合わせるのはあべちゃんが鹿児島入りしてからのわずか数時間。
リハーサルスタジオにはお金がかかるから入らず、アパートで友達に借りた二十四腱くらいのシンセでリハーサルした。

翌日、友達の家のグランドピアノのある広間を5000円で借りて(最初は10000円だったが一生懸命さが伝わってまけてもらった。)
クーラーの修理が来ないままの真夏の部屋で約7時間、必死で録った。
レコーディングエンジニアはいない。
だから僕がエンジニアをしながら。
手持ちの小さなZOOMのレコーダーと、備え付けのマイクで試行錯誤しながら、なんとか録音できた。
すべて一発録音。
頑張った。
そのなかからDahliaは限定20枚でリリースされた。
(このDahliaのテイクは苦しみと美しさが共存していて、前世の記憶を思い出すんじゃないか?ってくらいのテイクだった。阿部ちゃんのピアノはファンタスティックに波だっている。)

しかしながら、他の曲や、「Ameni」は、聴き直して納得のいく歌がとれておらず、
リリースできないと判断した。
この時のあべちゃんのピアノは素晴らしい。
ほんとにファンタスティック。
しかし、歌に納得できなかった。
葛藤しながらリリースをとりやめ、チャンスを生かせなかった自分に、自信をなくし、失意に落ちこんだ。


そして半年後、チャンスは二重に訪れた。

tsukuyomi(庸蔵's band style)が僕を東京に呼んでくれた。
さかのぼること2年、、庸蔵くん(tsukuyomiのリーダー)がオーガナイズしていたセッションに呼んでもらえたのがきっかけで益々交流を深めていった。そこにはあべちゃんもいた。
そのセッションがまた衝撃で、僕は音楽の中で自由に魚になった。
彼らとまた音楽がやりたくて鹿児島でイメージを膨らませていた。
だから一緒にライブができることがたまらなく嬉しかった。
新曲や、温めていた曲をお互いに出し合ってやる。
チャレンジの塊のライブをしようと。


そしてもうひとつのチャンスは、「Ameni」の再レコーディングだった。

遠隔でやりとりしながらドラマティックに仕上げるにも、環境を整えるのが困難だった。
せっかくtsukuyomiが東京に呼んでくれたのだから、この際、あべちゃんともレコーディングしてしまえ!と。

そしてエンジニア問題。
これはもう、一度レコーディングでお世話になった蜷川さんに電話で、メールで頼みこんだ。快く引き受けてくれた。ハイスペックのスタジオのミキサーを僕がいじれるわけがない。
なんど素晴らしいと口にしただろう。
なんどありがとうと口にしただろう。
デジタルピアノの音を本物のピアノのように弾くあべちゃんの繊細なタッチと、僕の歌を最大限に引き出してくれた。

9時間にわたるレコーディングで3曲の歌とピアノを録音。
7時間で7曲、エンジニアも僕っていう環境からすれば、じっくり作りこめて、ハイエンドのスタジオでエンジニアさんがいる状況は天の恵みでしかなかった。
完パケした時、泣いた。

鹿児島で培ってきた歌をかたちに残したかった。
どうしてもやりたいことだったから、きっと涙でたんだと思う。

Ameniは絶賛発売中!
ホームページから買えます。 
http://namiotomusic.wix.com/home#
是非聴いていただきたいです。






こちらはホームページも手掛けた下薗詠子作のCM。彼女はwebに携わるのは初めて。今回のデザイン回りを弟エーサと一緒に引き受けてくれています。


話は戻って、tsukuyomiとのコラボレーション。
こちらはあべちゃんとのコラボ、Ameniとは違う表情。なおかつ即興的で衝撃的な感覚。

facebookで庸蔵くんとたびたびやりとりしながら、お互い猫の手も借りたいようなパンパンさで、よく頑張った。庸蔵くんの家に行ったとき、彼はアレンジをずーっとイメージしていた。
音楽一色の部屋で鍵盤をひきながら、時々、ちっちゃい音でサックスのラインをたどりながら。

これ大丈夫か??ん??ってなりかけても、チャレンジ!
そして我々のチャレンジ精神が功を奏し、
tsukuyomiメンバーの豊かさが功を奏し、
とにかくすごい曲が生まれた。

本番当日。
僕はいろんな表情を自然と出せる。
演奏が豊潤で気持ちよかった。
お客さんの楽しみ方が素敵だった。
Namiotoはグラデーション、いろんな色があるよ。
それをtsukuyomiがいてくれたおかげで表現できた第一歩であった。


会場に来てくれた人は知っている。
あの感覚をパッケージしたいと願う。
これはいつかいい形で発表したいと願う。


売り子さんをやってくれた須山美奈子さんとフィアンセさんの協力もあって当日は「Ameni」のヌードポートレイト使用限定50枚が即完売。

月見ル君想フでのtsukuyomi(庸蔵's band style)とのコラボレーションライブは大盛況のうち終了。

来てくれた音楽仲間、ご縁のある方々、お客さん、ありがとう!!

打ち上げで食べたソウダルアくんの料理が美味しかった~。





今回、東京滞在中に泊めてくれた方々。
美味しいごはんと、あったかい寝床をありがとう。

鹿児島から東京に送り出してくれた身近な人たち、ありがとう。

お蔭で好きなことを思いっきりできました。

ご褒美です。

まだまだやります。





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